MAY 20, 2019

EVENT REPORT

廣田ゼミ×おふろ部 --「お風呂に幸せを」キュレーションサイト おふろ部

INTRODUCTION

近畿大学アカデミックシアター マーケティング・デザインXLab、大手広告代理店、 電通 ・ ja.zooo ・ 大手給湯器メーカー、NORITZ、神戸水道局などが連携して運営するキュレーションサイトが「おふろ部」です。おふろ部は、名前の通り、お風呂好きの人を増やすことを目的としたサイトです。
今回のワークショップでは経営学部生の他、30名以上の方々にご参加頂きました。そこで今回のワークショップで取り上げられた、記事の書き方や注意事項についてご紹介していきます。

出典: NORITZ
おふろ部リンクサイト: おふろ部

キュレーションサイト「おふろ部」

「おふろ部」の全体像

おふろ部は、大学生~40代の女性をメインターゲットとしています。
例えば、最近、お風呂に浸かりたいけど仕事が忙しく、お湯に浸かれていない人、シャワーだけになってしまっている人。
そういう人たちにお風呂の魅力が伝わる記事を通じて、お風呂を好きになってもらい、多くの人たちにお風呂に入ってもらうことを目的としたウェブメディアです。

発足当時は、キュレーションサイトとして運営しており、引用を中心とした記事が大半を占めていました。しかし、最近の記事では、ライター自身の実体験が掲載された、オリジナルの記事の割合が多くなっています。というのも、最近では、ライターの大半は、学生が占めています。これにより、記事の内容が学生独自のユーモアがある内容の記事が多く掲載されるように
なり、個性的な記事が増加するようになって来ています。

おふろ部の規模

*許可を得ています
現在、近畿大学を含め10大学、5都市の上下水道局の方たちがおふろ部の記事作成に参加しており、ライター数は300人ほど、記事数は1000本以上までに至り、年々規模が大きくなっています。

「おふろ部」を日本の未来を担う、ウェブサイトにする。

住谷徳人

株式会社電通

*許可を得ています

年に2回、おふろ部関係者が一斉に集まる、「編集長会議」・「おふろ部サミット」が開催されています。そこは、おふろ部全体での意見交換の場となっており、おふろ部の更なる発展や今後の展望ついて議論されています。ユーザー数も年々上昇しており、更に発展できるよう日々、尽力しています。

Goodな記事と言われる秘訣

記事を書くときのポイント

ウェブで良い記事と言われる要素は、
主に、PV数・閲読率・シェア数の3つ要素が高い
記事と言われています。

PV数とは、ユーザーが閲覧した回数。

閲読率とは、最後まで読まれた割合。

シェア数とは、文字通りシェアされたか数値のことです。

ただし、これら3つ全ての要素を満たせば、良い記事であるということではありません。反対に、全ての要素を満たそうとすると、記事の内容や趣旨が曖昧な記事になってしまい、伝えたいことが伝わりにくくなってしまいます。

ユーザーと最初に接触するタイトルで記事の大半が決まってくる。

住谷徳人

株式会社電通

*許可を得ています

そのためには、タイトルを作成することが重要になってきます。タイトルを設定することで伝えたい内容や目的が具体的になります。
そして、タイトルの作成の際にも3つのプロセスが
存在します。

1.目標を定める

具体的に、目標を定めるとは、上記で述べた、PV数・閲読率・シェア数の3つの要素の内、どこに焦点をあてたタイトルにするか選定することです。
目標を定める際には、インサイト(洞察)を意識する必要があります。

インサイトとは、人が何らかの行動をするときの要因のことを指します。なぜシャワーだけになっているのかなど、何らかの課題を発見し、その課題を解決できる内容を意識して書いて行くと良い記事に近づきます。また、目標を定めることにより、記事の構成や伝えたいことが明確になっていきます。

2.仮タイトルの作成

まずは、一度、仮タイトルを作成します。
ここで意識することは、what to say 。記事を通して何を言いたいか端的に説明する必要があります。

そして実際に記事を書いてみて、読者が興味を持ちそうなキーワードを掻い摘んでタイトルに足していきます。このプロセスを踏むことで、記事の要点をタイトルに組み込むことができ、タイトルを見ただけで内容が掴みやすくなります。

3.タイプ別にタイトルの作成

ここでは、PV数・閲読率・シェア数それぞれを狙ったタイトルをそれぞれ作成していきます。
記事の与える印象がここで決まってきます。

例えば、
PV数を狙った記事を作成するときには、あえて不安をあおるようなタイトルにし、ユーザーにどんな記事だろうと思わせ、クリックしてもらえるように誘導したタイトルが良いと言われています。

閲読率を意識した記事では、目的は最後まで読んでもらう所にあるので、あえて結論を隠したタイトルにしてみると良いと言われています。

シェア数を意識した記事では、TwitterやInstagramで流行しているワードやネタを入れてみると効果的であると言われています。

あくまで、これらは一例にすぎず、自分自身が記事を書いて行く中でよりよい方法を模索して行くことが重要になってきます。

同じwhat to say(伝えたいこと)でもhow to say(伝え方)によってユーザーの感じ方はそれぞれ変わってくる。

経営学部

廣田ゼミ 12期生

タイトルが完成し、ようやく記事の作成に入って行きます。記事を書く際には、引用や禁則事項が多く、これらの規則を初めから知っているライターは少ないので、大半の人たちが躓くところです。

しかし、ライターの過半数を学生が占めているので、学生たちにとっては、将来、社会人になった時に役立つ知識や経験を積める良い機会であり、普通の学生では味わえない貴重な体験をすることができるのも「おふろ部」の魅力の1つです。

記事作成のポイント

おふろ部では、WordPressという記事作成アプリを用いて作成しています。主に、ja.zoooの方々に記事の添削をしてもらい、それをライターたちがブラッシュアップしていく形を取っています。

良い記事を書くためには、まず、ユーザー視点で記事に向き合う必要があります。また、おふろ部の活動の本質的な目的は何だろうか考える必要があります。

おふろ部の目的は、何らかの要因で、お風呂に入れていない人たちに、記事を通して楽しく入浴してもらうところにあります。
このインサイトを記事で、どうやって克服していくかを考えて行くことで、徐々に良い記事になります。

インサイトを捉えている記事は、ユーザーが潜在的に抱いている問題や課題を解決できる内容になっているため、ユーザーが興味・関心持ちやすい記事になります。

しかし、インサイトを捉えているだけでは、完璧な記事とは言えません。

ここで重要になってくるのがレイアウトです。

引用符:ウェブの記事は、改行が多いほど可読性が上がる。

ウェブの記事で改行が少なく、文字がぎっしり詰まっている文章をみて、ユーザーはどんな気持ちになるでしょうか。最後まで、読みたく無くなりますよね。

大体のWordは、1行40字の設定になっているので、これを目安にしておきましょう。40字を超えてしまうと文が途切れてしまい、読みづらくなってしまいます。中途半端に文が切れそうな時は、早いうちに改行しましょう。

やはり、ここでもユーザー中心の考え方が重要になってきます。読みにくい漢字は「ひらがな」にするなど細かい気配りができた記事こそ、最高の記事なのです。

最難関の関所――「引用」

記事を書く際、ほとんどの人が苦労するのが「引用」です。引用には、ルールが多く、また、引用を忘れてしまうと権利の侵害なることもあり、極めて慎重に取り扱っていく必要があります。

経営学部 廣田ゼミ12期生

引用は、あくまで記事の補足です。一般的に引用は記事全体の1~2割ぐらいまでが好ましいとされており、引用ばっかりの記事になってしまうと、サイトの必要性が無くなってしまいます。

他のサイトから画像や記事を引用してくる際には、どこのサイトから引用してきたのか注意する必要があります。また、引用元のサイトが信用できるものなのか注意を払う必要があります。

特に、他のキュレーションサイトから引用してきた場合は注意が必要です。キュレーションサイト自体が引用の連なりによって成り立っているものなので、キュレーションサイトが引用している引用元まで遡って、引用する必要があります。キュレーションサイトと思わず、引用元を間違えてしまうライターが沢山でてきます。

引用以外にも「参考」と呼ばれるものがあります。参考とは、引用してきた記事を自分なりにまとめ直して新たな記事を制作することです。

一般的なジャンルの記事では、最後に引用元を記載していれば問題はありません。しかし、美容・医療・健康など、人の体に関わる記事の場合では、まとめ直すことはできません。実際にユーザーが記事の内容を読んで試してみた結果、どうなるか保証できないので、極めて注意が必要です。

「おふろ部」の活動が少しでも伝わったでしょうか。学生生活で、こんなに真剣に記事を書く機会を設けてくれた人たちに感謝しかないです。今の自分たちの活動は、ほんの序章にしかすぎません。今後、多くの記事を書いていく中で、更なるスキルアップを図っていきたいと思います。よろしければ、1つでも多くの記事を読んでもらえると幸いです。

EDITING TEAM

  • WRITER

    川添陸

    経営学部3回生

  • WRITER

    金山昌太

    経営学部3回生