FEB 25, 2020

PROJECT REPORT

アクトプロジェクト年間活動報告

INTRODUCTION

東大阪モノづくり専攻を核とした教育研究の産学連携によって、実学教育を具体化する人材育成システムの構築を目指しています。「モノづくり」とは単に形がある何かを作ることではありません。モノづくりに携わる人々が込めた思いを尊び、その思いを具現化する全ての行為が「ほんまもんのモノづくり」です。本プロジェクトでは、これまで東大阪モノづくり専攻が取り組んできた教育・研究の産学連携を広く大学内に展開し、世界で活躍する人材を育成することを目的とします。

【成果】「東大阪モノづくり特別研究」:2年間の長期インターンシップで働きながら修士の学位を取得する

「東大阪モノづくり特別研究」は大学の指導教員と企業の担当者で学生を教育する、教育の産学連携を具体化するプログラムです。学生は社会人学生として企業に所属し、2年間の修士課程の間に月曜日から木曜日は企業の現場において研究開発を行い、金土曜日は大学において指導教員等の打合せや東大阪モノづくり専攻の特徴的な講義科目を受講します。学生は企業から年間250万円程度の給与を受け取り、授業料や生活費をまかなうことができます。大学では技術を学び、企業ではモノづくりの考え方を学ぶ、国内唯一の教育プログラムです。平成16年度の創設からこれまでに70名以上の学生に学位を与えており、今年度は2名の学生が修了しています。

【具体的な活動内容①】「東大阪モノづくり特別演習」:幅広い技術を習得するセカンドメジャー制度

「東大阪モノづくり特別演習」は学生が主専攻としない分野において、それを専門とする学生とディスカッションできる能力を養うユニークな演習科目です。4単位60コマの演習を集中講義形式で受講します。今年度は機械系の学生が化学の実験に取り組み、また、化学系の学生が機械工学に関する演習を行いました。機械工学に関する演習では、3次元プリンタを組み立てる演習を通して機械の仕組みを学ぶとともに、コンピュータを用いた機械の設計図の作成方法を学びました。自由課題では、試験管立てや自動給水装置などの化学の実験に使う装置を設計し、それを自身で組み立てた3次元プリンタを用いて作成しました。

【具体的な活動内容②】「知的財産権」「知的財産管理技法特論」:知的財産管理技能検定3級(国家試験)合格を目指す

東大阪モノづくり専攻では、モノづくりのマネージメント方法を学ぶ「モノづくりマネジメント特論」、文系教員による「地場産業組織論」などの総合的な技術を習得する基礎科目を必修としています。特に、企業における研究開発において特許に関する知識は必要不可欠であり、弁理士の資格を有する非常勤講師による「知的財産権」や「知的財産管理技法特論」を開講しています。講義では、企業において知的財産に関する能力を能力を国が証明する資格である知的財産管理技能士3級の取得を目指します。総合理工学研究科の他専攻の学生にも人気がある科目であり、今年度は令和元年11月に行われた国家試験に19名の学生が国家試験に合格しました。

学生なのに社会人としての自覚を持てる特別な専攻です。モノづくりを通して成長している実感が湧きます。

田中 直道

東大阪モノづくり専攻 博士前期課程(藤塚精密金型㈱)

座学では学ぶことができないモノづくりを実際に体感し、モノづくりの奥深さを学ぶことができます。

柏本 陽和

東大阪モノづくり専攻 博士前期課程(大和鋼業㈱)

院生として勉学に励められるだけでなく、企業の一員になり実際の「モノづくり」に関われます。

田中 良汰

東大阪モノづくり専攻 博士前期課程(㈱シケン)