11 菊と刀の大日本

江戸のネットワークと芸能、明治の立身・立志・立派、大正の文芸とデモクラシー、昭和の国家と戦争。私たちは現代日本と直接つながる近世日本、近代日本とあまりにも切り離されつづけている。 当時のグローバル社会に対して、鎖国日本、開国日本、侵略日本、敗戦日本、そして復興日本というように、日本はさまざまな姿をとってきた。江戸から現代に至る激動の時代に、世界と切り結んだ群像は、どのような社会像を描こうとしていたのか。学生はいまいちど、ここから現代の編集を始めてもらいたい。

CORE BOOK

「菊と刀の大日本」を象徴する本です。

二つ枕

杉浦マンガの魅力は、確かな考証に裏打ちされた江戸風俗描写と、思わず音読したくなるような小粋な掛け合いの妙。独特の廓ことばを自在に使いこなすことにかけては杉浦の右に出る者はない。表題作は江戸吉原を舞台にした廓話で、ほとんど筋らしい筋はない。客と遊女のたわいのないやりとりが、ほんのりとした情感を醸し出す。初期作を集めた本書は、のちの白っぽい絵柄と異なり、浮世絵さながらにみっちりと描き込まれている。

  • 11 01

    薩長と義士伝 - 江戸時代

    江戸幕府は武家による統一国家を作り上げた。反徳川勢力を一掃し、大名統制・身分制度の確立・鎖国を行った。その結果、経済は発展し、都市を中心とした大衆的な文化が開花する。貨幣経済の進展は商人勢力の増長と武士階級の困窮をまねき、国内の動揺に加えて天災や外国の圧力で幕府の力は衰えた。それは独自の改革を進めた雄藩の台頭や、世直しを求める民衆の一揆や打ちこわしをよび、ついに幕府は開国と大政奉還を決断する。

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  • 11 02

    維新のアト始末 - 明治維新から大正時代まで

    明治政府は欧米の諸制度を採用して近代国家となることを急いだ。西欧列強の圧力から富国強兵をスローガンとし、明治の終わりには対外戦争に勝利して国際舞台で台頭する。この時代、文明開化・立身出世と社会的調和・武士道の新旧の価値観が併存していた。大正時代には政党運動・民衆運動としての大正デモクラシーが起こった。文学者は人道主義を打ち出し大衆文化が芽ばえる。しかし関東大震災で時代は大きく変動しながら大正は終わった。

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  • 11 03

    日本が散った - 満州事変から敗戦後まで

    昭和に入ると社会不安と革命思想で世情は著しく緊張する。日本は帝国主義的傾向を強め、対内的には軍の独裁、対外的には侵略という傾向を強めた。松岡正剛はそれを「本来の面影を失った日本」と述べている。中国では満州を独立させた上に大陸に侵攻し、ナチスドイツと同盟しては太平洋戦争に突入した。緒戦ではアメリカならび連合軍に勝利を収めるも、日本軍は徐々に押し戻された。空襲や原爆で灰燼に帰した日本は、連合軍に降伏をした。

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  • 11 04

    JINと助六

    近代化や経済発展の歩みにともない伝統文化を革新した人、新思想とともに体制へ反抗した人、時代の荒波で悲劇的な生涯を送った人々がいる。個々人の生き方に目を凝らせば大きな共感か、もしかしたら反感を感じるかもしれない。いずれにせよ時空をこえて感じられるのは現代との同時代性だ。各々の時代を輪切りにして眺めると、時代の文脈から世相やエートス(行動規範)が伺えて現在を考える材料になる。歴史の楽しさはそこにある。

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「HISTORY」には他にもこんなテーマがあります。

  • 10

    日出ずる処の匠

  • 11

    菊と刀の大日本

  • 12

    世界史クロニクル