28 百花繚乱の身体

ルネサンス期に端を発するバレエは、クラシックからモダンダンス、コンテンポラリー、インプロビゼーションと型から型を破り、新しい型を生みながら、その伝統と前衛のインタースコアを起こしつづけている。 一方、ボディ・サイエンスと身体進化論を背景に、勝利と記録の二兎を追いつづける短距離、マラソン、自転車競技。その先に競技者が獲得するのは栄光だけではなく、データでは測り得ない五感がない交ぜになった超感覚や、ある感覚が鋭敏になる突出感覚であるという。他にも、自然と格闘しつつ、自己を内省する登山など、多様なスポーツを巡り、身体について考察する。

CORE BOOK

「百花繚乱の身体」を象徴する本です。

舞姫テレプシコーラ

フラジャイルでサスペンスフルなバレエ漫画。バレエという夢舞台の裏側の少年少女達の厳しすぎる現実をえぐり出し、登場人物を崖っぷちまで追いつめる容赦のなさとバレエを志した躯の極限の美しさが両立しているからである。『テレプシコーラ』の主人公天才肌の姉・千花の挫折とそれを乗り越えて振付家としての天分を発揮する妹・六花。彼女たちの内面と技能の成長を演目の魅力や周りの人物とともに描く。2007年、第11回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。

  • 28 01

    ホワイト・スワン

    イタリア・ルネサンスで生まれたバレエは、オペラの一部としての物語性、複数の幕からなる音楽性、高い技術が要求される舞踏性で構成されている。トップのバレエダンサーにはそのすべての理解力と解釈力と表現力が要求される。バレエとは身体をつかった西洋美学の表現である。その舞踏からは西洋においての美とは何か、西洋の芸術とは何かを学ぶことができるだろう。スポーツにギリシャ的西洋美と審美的評価を持ち込んだ世界観を知る意義は大きい。

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  • 28 02

    こだまスプラッシュ

    谷が狭くなった、道が細くなった、視野が開けた、急流になった、むこうに古い禅寺が見えた。『日本アルプス』を著したウォルター・ウェストンは、山で気がついたすべてを記述していった。自分自身の身体で自然と対話をする。山も海も、水も岩も、言葉を発するわけではないが、研ぎすまされた五感と肉体で向き合うことで、コミュニケーションが可能になる。またその感覚を知ったものだけが交信可能な言語がある。ここでは自然とスポーツをテーマに棚を構成する。

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  • 28 03

    風の歌で走る

    より速く、より遠くへ。より長く、より強く。古代ギリシャのオリンピアをもとにクーベルタン男爵が提唱した近代スポーツの祭典の理念は、進化思想とともに、記録更新、肉体向上へと変質した。ボディ・サイエンスと身体進化が追求するのは、勝利なのか記録なのか。風のように走る身体は、科学では測れない感覚をも敏感に感じ取り、超人の域に達していく。短距離、マラソンを主題に、その方法と歴史、思想を解読する。

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  • 28 04

    こぎつづけて山河

    速さを競う種目のなかで、モータースポーツと陸上競技の中間に属するのが自転車競技である。マウンテンバイク、トラックレース、ロードレースなど種目も多岐に分かれる。機械と人間の双方を究極まで鍛え上げ、極限まで酷使し、勝利を目指す。人間と機械がどのようなマリアージュに向かい、人類が機械とどう向き合っていきたいのか。モータースポーツとサイクルスポーツの対比をしてみるのも一興である。

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「BODY」には他にもこんなテーマがあります。

  • 25

    一球入魂のメイクドラマ

  • 26

    アスリートのボールゲーム

  • 27

    どついたるねん

  • 28

    百花繚乱の身体