MAY 22, 2021

INTERVIEW

新入生必見!職員さんが語るアカデミックシアターの魅力

INTRODUCTION

2021年4月27日(火)、アカデミックシアターのカウンター職員さん(髙橋検一さん、壽顕一郎さん)にインタビューいたしました。4月に入学した新入生に向けてアカデミックシアターや本の魅力、今後の取り組みについて語っていただきました。

1. アカデミックシアターとは

インタビュー内容を紹介する前にアカデミックシアターがどんなところかを紹介しておきます。アカデミックシアターは、建学の精神「実学教育」と「人格の陶冶」を礎に、人間のあらゆる知的好奇心を揺り動かす”知の劇場”として、3つの機能があります。

その1つが今回取材した、「近大INDEX」です。近大INDEXは、近大生のための文理融合・実学型の図書分類であり、図書館で本の分類をするときに使う十進分類法を下にしつつ、学問としての知識だけでなく社会に価値を発信する実学の礎となる本の選書がなされています。アカデミックシアターの1階はNOAH33と呼ばれ、全体が7つのエリアに分かれ、33のテーマで構成されています。NOAHは”New Order of Academic Home”の略で多様な世代が乗り合わせる“知の箱舟”になることを目指しています。2階のDONDENは、漫画を中心に新書・文庫など約4万冊で構成されています。全体が11のエリアに分かれ、32のテーマで構成されており、学生の関心が高い漫画から入って、関連する新書や文庫で知の奥へ向かうための「知のどんでん返し」が起こることを目指しています。
他の2つはACT EXとThe Garageがあるのですが、今回説明は省きます。是非こちらからアカデミックシアターのHPを一度読んでみてください。

2.インタビュー

―早速ですが、現在学生に向けて行っているアカデミックシアターでの取り組みは何かありますか?

髙橋検一(以下、髙橋さん) 『学生とともに作る棚』として、1階のNOAHと2階のDONDENで特設の本棚を作っています。ちょうど今、2階DONDENで『春』というテーマで新生活を始めた方や新入生に読んでほしい本を職員が選んで並べています。1階のNOAHでは学生サポーターのアプリコットコンシェルジュの学生さんがこれからの大学生活に向けて読んでほしい本を選んでくれています。5月末まで開催していますよ。

―こうした本棚があると読書初心者でも本を選びやすいですね!本棚企画の取り組みは毎月行っているのですか?

髙橋さん 1カ月か2カ月に一度特集を変えて行っています。毎回アプリコットコンシェルジュの学生さんたちとどんな棚にするかを話し合っています。

―今回のDONDENの特設本棚ですが、職員さんはどのように本を選んでいったのですか?

髙橋さん ビブリオシアターの特徴的な本の読み方に『DONDEN読み』というのがあるんです。DONDEN読みってなんでんねんって感じかもしれないんですが、マンガから入って、新書でその分野の基礎知識を学んで、文庫(小説や物語など)でさらに奥深く知ってもらう読み方です。今のDONDENの本棚はそのDONDEN読みの形式でマンガと文庫と新書がセットになって置いています。特設本棚もそのような考え方で選んでいます。

―学生だとそのような本の選び方を知らない人が多いと思うので、1つのセットでおいてくれていると興味がある分野の知識も深められやすいですね。DONDENとNOAHの特設の本棚は5月末まであるそうなので新入生や本選びが難しいと感じている方は是非立ち寄ってみてください!

―ちなみに個人的に髙橋さんが新入生に対しておすすめ本はありますか。

髙橋さん 新入生に向けてだと、アカデミックシアターにある本ではないですが、伊坂幸太郎さんの『砂漠』という小説がめっちゃ面白いです。大学生5人組の大学生活を描いている物語なのですが、この5人がみんな少し変わっているんです。読む人によってどう感じるかは変わりますが、その人らしさを発揮していいんだと気づかされるような本です。

―なぜその本を新入生に向けておすすめしたいと思ったのですか。

髙橋さん 大学生のうちしかできないことって絶対あると思うんです。今は変わってきているのかもしれませんが、高校時代までは部活と勉強が中心で、社会に出ると仕事中心になっていることが多いと感じます。大学生の生活が勉強中心でないとは言えないですが、人生の中で遊ぶ時間や自由な時間が結構あるのが大学時代だと思っていて、僕自身大学時代は好きなことをして、追求してました。真剣に遊ぶときってすごく考えると思うんです、例えば競馬でどうやったら勝てるのか攻略本を読んだり、自分なりにいろいろ考えて工夫して行動したりしたことが、仕事で何か問題があるとその経験や考え方がつながっていると思います。単純に遊ぶ、ワクワクすることや面白いことを一生懸命にしてほしい、それがリアルにイメージできるのがこの本だと思います。

ー隣にいた他の職員さんも大学生におすすめだとおっしゃっていたので、話を聞いていて私が読みたくなりました。伊坂幸太郎さんの『砂漠』は中央図書館の方にあるそうなので是非読んでみてください。

さんのおすすめの本はありますか。

壽顕一郎以下、壽さん)若い人向けだと、アカデミックシアターでも借りられる本で吉野源三郎『君たちはどう生きるか』がおすすめです。この本は最近漫画化されて話題になっていたと思うんですが、原作はかなり古くて戦時体制下に書かれた作品なんです。個人的には書かれたときの時代の空気感がリアルに伝わってくるので小説の方を読んでほしいんです。できれば初版に近いものを…。

―なぜその本を新入生に向けておすすめしたいと思ったのですか。

壽さん 大学生はいろいろ考えたり悩んだりする時期だと思うんです。この本も時期が日中戦争から太平洋戦争へ向かう時代の中で、いろいろ考えさせられる部分があって、この本を通して自分で悩んで生き方を選択することを考える一つのきっかけになると思います。

ー1930年代に出された本が今の人々にも支持されているということは、人は時代を問わず共通した問題に直面するのでしょうか。漫画版がアカデミックシアターに、原作が中央図書館にあるそうなので是非読んでみてください。

―毎日アカデミックシアターで仕事をされていて、職員さんが思うおすすめの過ごし方はありますか。

髙橋さん 僕の場合は本を読むときに一人きりで静かなところがいいなと思うので、一階のガラス張りのカウンター席が好きですね、あと今3号館の自習室が1席ずつ仕切られているんですが、そこを借りて何冊も本を持ち込んで読みたいですね。

壽さん ガラス張りのところから木や花が見えるんですが、鳥や虫がいることがよくあるんです。四季折々の花を見れたり外に出ると香りもしたりするので四季の移ろいを感じられるのがすごくいいですね。

ー他の図書館にはない開放的な空間や自然が感じられるところもアカデミックシアターの魅力ですね。今度訪れたときにはガラス張りのカウンター席に陣取って花や鳥を観察してみるのもいいかもしれないです。

今回のインタビューを通して、職員さんの人柄や雰囲気がいつもの居心地の良いアカデミックシアターをつくってくれていると感じました。NOAHとDONDENのそれぞれの本棚は定期的に配置が換わっていて、その本棚の担当職員さんがその時に読んでほしい本やテーマを決めて置いてくれているそうです。アカデミックシアターが訪れる一人一人の学生さんの新しい本や人、自然に出会う、何かのきっかけになることを願っています。

EDITING TEAM

  • チーフエディター

    清水悠花

    0-10Studio