JUN 15, 2021

EVENT REPORT

「#学校に生理用品を」を近大で!生理用品を配布をしました

INTRODUCTION

ACTプロジェクト「ラヴノプラヴィエ」は2021年4月16日(金)から5月7日(金)まで教育機関のトイレへの生理用品設置を求める「#学校に生理用品を」という活動をPRするため近畿大学生を対象に、アンケートと生理用品の配布を行いました。アンケートの回答者は約2400人、生理用品配布会場への来場者は160人でした。

アンケートに東大阪キャンパスの女子学生         20%が回答

性別や年齢、所属キャンパスを問わず回答できるアンケート全学生を対象にUNIPAにて配信し2367人から回答を得ました。

これは近畿大学生約33,000人(男23,000人、女10,000人)の約7%にあたり、特に東大阪キャンパス所属の女子学生の回答率は約20%となりました。
性別:女性1924,男性402,その他14,無回答27
所属:東大阪キャンパス1976,他キャンパス343,学外48

学校のトイレへ生理用品を設置することについて

アンケートでははじめに生理用品使用経験の有無を問い、その後全員に対してトイレへの生理用品設置や本活動について思うこと、使用者には生理用品にかかっている費用等を質問しました。
生理用品の使用経験がある学生の57%は生理用品が手に入らず困った経験があり、そのうち約1割は金銭的な理由でした。また、生理用品の使用経験がある学生の97%が学内のトイレへの生理用品の設置を希望すると回答しました。
今回の調査から、半数以上の人が生理用品にアクセスできず困った経験があり、快適な学生生活のために学内のトイレへの生理用品設置を希望していることがわかりました。

アンケート結果

1回の月経で生理用品にどのくらいの費用がかかっていますか?(有効回答数 1952)

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生理用品が手に入らず困ったことはありますか?(有効回答数 1952)

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学校のトイレに生理用品が設置されてほしいと思いますか?(有効回答数 1952)

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設置を希望する声(抜粋)

・生理用品を買うお金がなくて困っている人は私以外にも沢山いると思うから
・滞在時間の長い学校で、授業間の短い休憩の間に急に生理が来た時に慌てなくて済むから
・買いに行く時間でさえ漏れそうで焦ってしまうから
・トイレットペーパーを代用しなくて済む
・有料でもいいからトイレに置いてほしい

設置に慎重な声(抜粋)


・不特定多数が触れる可能性があり衛生的に不安
・必要以上に取っていく人がいそう
・盗難のリスク
・男子学生との公平性が保たれないのではないか

生理用品配布に160人が来場

アカデミックシアターACT-121で生理用品を無料で配布しました。生理用品はナプキン2種類、タンポン、シンクロフィット各200個ずつを大学のサポートを受け用意しました。オンライン授業や緊急事態宣言の影響もあり、予定よりも短い5日間の実施になりましたが160人の学生が来場し、生理用品や活動を紹介するフライヤーを受け取りました。中には友達同士で誘い合って来る方や、職員の方、カップルで来場された方もいらっしゃいました。

トイレ以外での配布

当初はアカデミックシアターのトイレへの設置を検討していました。しかしこのコロナ禍で感染対策を考えると人目につく場所での設置が望ましいということで、今回のようにメンバー立ち会いのもとACTでの配布になりました。しかしACTで配布したからこそ多くの方に直接会い、意見や感想を伺うことができました。

受け取った学生の意見


・無料なのはありがたい
・持参してなくて困っていたのでとても助かった
・トイレにも設置してほしい
・またこういう機会をつくってほしい

私たちが驚いたのはたった5日間の配布で、ちょうどいま必要になったので貰いに来ましたと声をかけてくださった方が複数人いたことです。トイレでの配布を諦めた時点で活動のPRに重点を置いていたため、実はこのようなケースはあまり想定していませんでしたがニーズがあることが実感でき、活動の励みになりました。

今後は感染対策や盗難、悪戯などへの対策を行った上でトイレでの配布を目指します。そして、トイレットペーパー同様に大学の予算での継続的な設置を求めていきます。

活動を終えての感想と同様の活動をする方に向けて

今回のアンケートや配布の計画は2020年12月に始まりました。慶應SFCのイベントで生理用品をトイレに置くという展示を行った学生の話を知ったことがきっかけです。ジェンダー関連のプロジェクトを運営している私たちにできることは何か、新しいことを受け入れる雰囲気のある近畿大学で実施することに意味があるのではないかと考え、たった2人で最初の企画書を作りました。この時期は生理の貧困についての報道が出る前で、サポートしてくださっていた方の中には、この学生たちは何をしようとしているのだろうと思っていた方もいたのではないかと思います。実施に向けて準備をしている最中、2020年12月末頃からコロナ禍での貧困と生理についての報道が出始め、2021年3月には民間団体による生理の貧困に関する調査がNHKで報道されたり、各地の自治体で災害備蓄用生理用品の更新に伴う配付が行われたりと生理の貧困や生理用品の配布に注目が集まりました。そのような世間の関心が高まっている時期に本活動を行ったことで、予想していたよりも多くの方にアンケートにご協力いただけたことや配布会場に来ていただけたことはとても幸運でした。また、活動していく中でメンバーが少しずつ増え5月末には15人を超えたことも嬉しかったことです。

最後になりますが、学内はもちろん、SNSを通じ学外からも多くの応援の言葉をいただいたことは非常に励みになりました。またアンケートに書かれたご意見や、ご自身の経験等もすべて大切に読ませていただきました。今後の活動の参考にしていきます。本当にありがとうございました。これからもラヴノプラヴィエや、全国で教育機関のトイレへ生理用品設置を目指す方々への応援をよろしくお願いいたします。

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「私も在籍校のトイレに生理用品を設置したいと考えています」という方々からお問い合わせをいただきました。

Q誰が実施したの?
Aラヴノプラヴィエという近畿大学アカデミックシアター内で活動するプロジェクトのメンバーで、普通の大学生です。

Q何を目指して行ったの?
A近畿大学のトイレに生理用品が設置されている光景が当たり前になることです。大学に設置されれば高校や、小中学校にも広がっていくと考えたためです。そのためにまずは近大で活動のPRと学生へのアンケートを行いました。

Q目的は?
A女子学生の利便性向上が主目的です。女子学生が安心して学校生活を送れることは教育機会均等の観点からも重要だと考えています。
Qなぜ生理の貧困の解消を目的にしていないの?

A金銭的な事情で手に入らない場合だけでなく、忘れてしまったが買いに行く時間がないときや売っている場所が近くにないときにも利用してほしいからです。また貧困解消を全面に出すことで、誰にとっても利用しにくいものになるとも考えています。

Qなぜ期間限定にしたの?
A今回の配布はあくまで活動のPRのためのものだからです。

Q生理用品はどこから寄付されたもの?
A今回配布した生理用品や、活動を紹介するフライヤーは近畿大学のサポートを受けて用意しました。

Qこの活動で難しかったことは?
Aコロナ禍で衛生上の理由からトイレに設置できなかったことです。人目につく場所で配布して受け取りに来てくれる人がいるのかが不安でした。学生の挑戦をサポートする環境が整っていたこと、理解のある方に恵まれたことから、それ以外に大きな困難はありませんでした。

このレポートを書いている最中に東京都が2021年9月から、すべての都立学校(主に高校)の女子トイレに無料の生理用品を置くことを決めたというニュースを知りました。少しずつ社会も変わっていきます。活動していると理解のない言葉に傷つくことや、想像以上の反響に疲れてしまうこともあるかもしれませんが、自分ができることをできるときに少しずつやっていきましょう。応援しています。ご質問等ありましたらお気軽にご連絡ください。すべての教育機関のトイレに当たり前に生理用品が置かれる日が来ることを祈っています。

男性の私として学びが多かった。生理用品の価格等を学ぶきっかけになり、配布する意義を改めて確認できた。

村田俊明

国際学部

EDITING TEAM

  • 清水理子

    理工学部