JUN 25, 2021
EVENT REPORT
0から始めるプログラミング講座
~特別編~
INTRODUCTION
今まで全5回開催してきたプログラミング講座ですが、プログラミング講座で毎回お世話になっているE-Research取締役の上田遼佑様と本校経済学部のOBで株式会社BigGate取締役社長の大門聖史様をお招きし、対談形式での講演会を行いました。今回は特別編として、文系からIT企業を目指す選択肢についてお話しいただきました。
大門さんは2006年に近畿大学に入学され、コンビニでアルバイトをしたり、近大通りで麻雀をしたり、部活をしたりとごく普通の学生だったそうです。
大学時代の過ごし方
普通の近大生っぽかったと思う・・とのことでしたが、
授業のとり方が一風変わっていて、出席点のない授業を選び、授業には一番最初と最後しか出席していなかったそうです。しかし奨学金を取る必要があったので、教授が書いた本を図書館で探して読み漁り、単位はしっかりとっていたそうです!
ちょっと自慢できること
学祭の実行委員をしており、11月ホールで1000人くらいの音楽イベントの司会進行を2時間くらい務めたご経験があるそう。しかし、トラブルで照明と音響が落ちてしまい、地声で10分場を繋いで出演されていた音楽グループのスタッフの方に褒められたそうです。11月ホールはとっても広いので、そこで地声でつなぐのはすごく緊張…!
学生時代やっておけばよかったこと
時間がたくさんあったのでサービスを一つつくっておけばよかった!とおっしゃっていました。
続いて上田さんにも自己紹介をしていただきました!
毎度プログラミング講座でお世話になっている上田さんの新たな一面が見られました!
学生時代
上田さんの学生時代は勉強のひとことに尽きるそう。奨学金のためにいい成績をとり続ける必要があったため1時間目から8時間目まで授業を受け、そのあとバイトというなんともともハードな生活を送っておられたそうです。
大学時代の過ごし方
大学時代はあまり遊んだりはしておらず、就職するのが怖かったため就職活動にとても力を入れておられたそうです。1Day,2,3Dayを1年半かけてインターンシップ80社に参加。
学生時代やっておけばよかったこと
上田さんは理系でしたが、プログラミングに進むか文系職に進むか当時悩まれていたそう。しかし今考えれば悩む必要はなかったなと思われているらしく・・・
文系職は誰でも入れるため、英語を話せるなどの人より強い武器がないと入りづらく厳しい一方、エンジニア職は日本の場合、武器がなくても入りやすいそうです。
起業・ITについてのディスカッション
学生から起業する時の一番の要因は?
「運が良かったのもあるし、ネガティブな理由もある」
大学時代、モノを作るより売るほうが強いと思っており、そこから不動産に就職することに。しかし入社後の歓迎会での上司の話がつまらなさ過ぎて辞めることを決意。
就活は終わっていることだし、近大が大好きで学祭をもう一年やりたい!という思いからわざと必修の英語のテストを受けずに留年することに…!
TOEICの点数を4/2に提出して卒業確定のままもう一年学生生活をすることになりました。
五年生目はプログラミングのアルバイトとゴーストライターをしながら学生生活を過ごしていました。
「将来が不安だから就職しようとはならなかった?」
日本だから大丈夫だろうと思った。日本は安全なので!
当時アメブロで本の書評を作っていました。
当時のブログは日記みたいなものだったが、大門さんは5000文字くらいの書評を書いていた。毎日更新しなければ見てもらえないが、毎日5000文字書くのは本も読まないといけないし無理がある…。
そこで就活時代に知り合った友達に「これからモノを聞いてまとめて書く能力がとても大切になってくる」とそれらしいスローガンを掲げ、学生をたくさん集めて曜日担当で学生が書評を書く、という仕組みを作りました。ここからもサービスを創る片鱗が見え隠れしているな・・・!
ブログを見た出版社から書評を書いて欲しいと本が届くようになり、企業案件を受け持つこともあったそう。友達が大門さんのブログの話を周りの人たちに伝えてさらに案件が広がって…と学生ながらも仕事を受け持っていました。
「自分は楽したいから人にやらせる!」
読売新聞の書評の欄に自身の書いた書評が掲載されたこともありました。
当時は広告をブログに載せるという概念がなく、ブログからの収入はなかったそう。
今ってどんな生活を送っているの?
文章力とプログラミング力を組み合わせて、大門さんにしかできないウェブマーケティングをされているそう!
さらに、欲しいモノを出来るだけ楽して手に入れるためにサービスの開発も。
中学生の時に、田舎すぎて格闘ゲームの相手がいなかったから相手を見つけるために掲示板を運用するウェブサイトを作ったことがすべての始まりなんだとか。
「嫌なことや、やりたくないことをやらないためにシステム開発をしています!」
なぜプログラミングを始めようと思った?
プログラミングは必要に駆られてやっていて、それが今も続いているそうです。
なんとなくプログラミングを知っていたほうがいいかなというひとは特に必要ではないためやらなくても大丈夫だとか。
プログラミングをするにおいて、環境構築が必要なものや間違えていたら動かないものは考えても面白くないからやらない!(笑)
「もし就職するならIT大手?ITベンチャー?」
近大はどちらでも狙える!
大門さんも上田さんも共通しておっしゃっていたのが、優秀なエンジニアと同じチームで働ける企業を選ぶということ。
プログラミングを書ける人と近い距離で働くことで、その人が仕事が早い理由がわかる!
自身の成長(仕事を効率化するために)できるだけ早い段階でレベルの高い人と働けるようなチームを探すことがIT企業を探すうえで大切になってきます。
上田さんは優秀なエンジニアは大手に集まるうえ、優秀なエンジニアと働ける機会は大手のほうが多いため、大手IT企業推しだそうです。
次に視聴者がテーマをパネルで選択し、それに答えて頂きました!
- エンジニアじゃないけどWEBサービスやりたい人が、エンジニアと仲良くやって成功させる方法
- プログラミングに興味はあるけど、勉強した方がいいと思うかどうか
- 情熱を追っかけるかお金を追っかけるかは早めに決めたほうがいいよと言う話
- 僕が仕事を依頼する人、しない人
- 全ての職業の人が知っておくべきマーケティングのプロの思考。モノが売れるとはどういうことか
- 誰とでも戦える武器(たとえば前澤さんにもホリエモンにも勝てる武器)を一つ持つことで生き残れるという話。またそれの作り方。
視聴者に選ばれたのが②と⑥のテーマでした。
②プログラミングに興味あるけど、勉強した方がいいかどうか
大門さん曰く、「興味があるくらいならしなくてもいい。必要に駆られたならやるべき。」だそう。大門さんは最短ルートでほしいものを手に入れるためのサービスをつくるためにプログラミングを勉強することが不可欠だったから勉強しただけで、「必要なかったらやってません(笑)」とおっしゃっていました。
「成し遂げたい目的があって、それを達成するための手段としてプログラミングがある。プログラミングは言語なので、英語と同じで話す機会がないなら勉強する必要もない。」
これには私も納得でした。なんとなくやっておいたほうがよさそう…という理由では続ける動機にもならないし、途中で挫折してしまいそう。大きなサービスでなくてもいいし、完成しなくてもいいからつらい思いや難しさを感じながら、自分で問題を解決することが大切だそう!
⑦ 誰とでも戦える武器を一つ持つことで生き残れるという話。また、それの作り方
プログラミングは出た瞬間にラスボスが出てくる可能性があるくらい
まず最初の段階として一つ好きなモノを極めること。
知り合いレベルの狭いコミュニティの中で自分が一番と言えるモノを作ることが大切で、例えば本を知ってる、美味しいラーメン屋を知っているとか小さなことでも大丈夫!
ラーメン好きといえばこの人!というようにコミュニティ内で一番最初に自分の名前が浮かぶモノを作って自分をブランド化することがとっても大切です!
好きなことを極める!
大門さんは大学時代ウィスキーにハマったそう。しかし一人暮らしだったため毎月金欠でバーに入り浸ることもできなかった…。そこで比較的空いている18時くらいからバーに行き、一杯のお酒だけ注文!そのお酒についてバーテンダーさんにたくさん話を聞いてウイスキーについて知識を深めたそうです。ウイスキーを知ることは、ウィスキーが好きな人と語り合うための手段になります!
一つを極めるのは難しいけど、小さいコミュニティで一番になれるモノをいくつも持つ!
「スペシャリスト(100点満点の人間)になるよりゼネラリスト(95点とかの人間)を目指す!一般人には95点とか98点の違いはわからない(笑)」
85点くらいまで上げることを目標にして、好きなものを極めましょう!
さらに要望があったので、⑤のテーマについてもお話しいただきました。
⑤全ての職業の人が知っておくべきマーケティングのプロの思考。モノが売れるというのはどういうことか
お客さんが本当に買ったモノはその商品の価値とは違うそうです。
例えば水を買ったお客さんがいたとします。そのお客さんは水が欲しいから買ったわけではなく、喉の渇きを潤すためや、美容のためなど目的は異なります。
ここで大門さんから
「パッケージを外した時に価値がゼロになる商品は何か」とクイズ!
ブランドもの!などたくさんの答えが飛び交いました。
正解はお土産!
お土産のベネフィットは免罪符で、地域限定!などのパッケージがなくなって中身だけになった瞬間に免罪符としての役割を失います。つまり、お土産としての価値を保っているのはパッケージであるため、パッケージがなくなると価値がなくなってしまうんです!
マーケティング戦略の考え方として代表で挙げられたのが皆さんお馴染みのファブリーズ!
ファブリーズは販売当初匂い消しとして売り出されていましたが、売り上げが伸び悩んでいました。その機能として「匂いが消える」ことがあります。しかしファブリーズを継続して購入しているユーザーに聞き込みをすると、掃除した後にファブリーズを吹きかけると、なんとなくすっきりした気分になることから購入していることが分かったそう。そこでファブリーズを掃除の後に使うものという文化を形成し、販売したところ売り上げが急増!今ではシュッとするとスッキリした気分になるというところをヒントに、「瞬間お洗濯」というキャッチコピーで販売されています。
商品の機能=価値ではなく、その商品を使うメリットやベネフィットは売っている本人では気づきにくいというところがあるため、ユーザーの意見がとても大切になります。
「他商品との差別化を図るため、販売側がなぜそのプロダクトを作ったのか説明できることもすごく重要です!」
大門さんと上田さんの対談は、終始笑いの絶えない和やかな雰囲気でした!起業した方からお話を聞く機会はなかなかないので、本当に貴重な経験をさせていただいたなと思います。私が今回のお話で一番印象に残っているのは「小さなコミュニティの中で一番になれるような好きなものを極める」ということです。一つのモノでは勝負できないかもしれないけど、「好き」をいくつか集めて極めることで、自身のブランドを確立できるのではないか!と感じました。