実学シーズ

金属やプラスチックのように加工しやすい

熱可塑性CFRP製造

西籔 和明

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炭素繊維で強化したプラスチック(CFRP)は軽くて強く錆びないため、航空機やスポーツ用品等に多く使用されていますが、今後、電気自動車や空飛ぶクルマなどの次世代モビリティや各種産業機器等に広く使われるためには、低コストで高い量産性と環境適合性が求められます。熱可塑性樹脂を用いたCFRPは、生産性・耐衝撃性・再利用性に優れており、また金属のようにプレス打抜き、加熱プレスや鍛造および加熱ロール成形が可能であり、プラスチックのようにインサート射出成形や溶融接合など、多様な製造法が適用できます。このような魅力のある先端材料をいかにうまく使うか?CFRPものづくり力が重要です。

いま取り組むべき社会課題

航空機や自動車などの輸送機器の構造材やモーター・バッテリー等の電装部品の高機能・軽量化により低燃費と快適性が向上し、環境適合化と利便性や経済効果を両立させるためには、先進的な熱可塑性CFRPの低コスト量産化のための製造法と装置開発を行うことが重要です。新しい材料をうまく使い、次の世代につなげる製造装置づくりでSDGs対応のモノづくりを目指します。

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まだ世の中にない新しい魅力

これまでの熱硬化性樹脂を用いたCFRPは、限定した製品に対して特定の企業が主として設計・製造してきましたが、熱可塑性樹脂を用いたCFRPは生産性・耐衝撃性・再利用性に優れており,さまざまな製造法が適用できるため金属およびプラスチックなど幅広い加工業の方々が参入しやすく、環境適合性に優れており、将来性の高い魅力ある材料です。そのため、自ら材料および機械を作り、新しい取り組みを提案していく必要があります。

研究をもとにしたプロダクトと挑戦

現在の利用・活用シーン

熱可塑性CFRPのプレス打抜き・加熱曲げ・ハイブリッド射出成形・加熱圧縮成形・加熱引抜成形・融着接合およびリベット締結などの製造を実証している。

挑戦したい領域・分野

熱可塑性CFRPの特長を活かし、次世代モビリティや産業機器など様々な製品に応用し、その製造法および装置の開発を行い,大阪から世界へ積極的にアピールしていきたい。

事業者の皆様へのメッセージ

材料と機械を自ら作り、「異なるものとの結びつき」の重要性を探究しています.熱可塑性CFRPの製品や製造法の開発を通じて、基盤モノづくりの活性化に取り組みましょう!

より詳しい情報を知りたい皆様へ

解説者

西籔 和明

Kazuaki Nishiyabu

理工学部 機械工学科

問い合わせ先

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