13 犯人はこの中にいる

ヴィクトリア朝における科学(目による観察)がミステリーという分野を生み出した。不明なることを観察する目は道具の発達とともにマクロにもミクロにも及ぶ。 シャーロック・ホームズに代表される名探偵たちの活躍、犯罪を引き起こす脇役の心の暗部、日常の治安を守る警察や刑事のドラマ、日本近代の警察機能である同心、岡っ引きの物語。事件や事故は謎という問いに始まり、「観察・仮説・検証」といった科学的プロセスと同一の経過を辿る。エンターテインメントで思考を科学することを学ぶことができる棚。

CORE BOOK

「犯人はこの中にいる」を象徴する本です。

Master Keaton

「人間はどんなところでも学ぶことができる。知りたいという心さえあれば」「さあ、諸君、授業を始めよう。あと15分はある!」。考古学講師としての主人公キートンの言葉だ。平賀=キートン・太一は表向き、ロイズ保険組合の調査員つまり探偵として働きつつ、恩師・ユーリー・スコット教授の提唱した「西欧文明ドナウ起源論」を考古学者として証明することを夢見ていた。世界を股にかけ、手に汗握る冒険に心躍らせ、知を、歴史を、探偵する。

  • 13 01

    コナンとルパン

    産業革命の伸展と推理小説の濫觴たる『モルグ街の殺人』の発表が、共にヴィクトリア朝時代にあったことは偶然だろうか。産業革命は科学の成長を前提とするし、科学は目による観察をもって第一義となす。推理小説も同じだ。探偵が事件の現場を観察しなければ話が動かない。ホームズは天眼鏡を持ち、ロンドン万国博は世界を見尽くそうとする欲望の隠喩であった。目、目、目の時代なのである。<探偵>という名の科学者たちの活躍をここに紹介する。

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  • 13 02

    鬼ごっこ執行中

    「今は亡きモリアーティ教授の死以来、ロンドンは奇妙なほど退屈な都市になったな」かのシャーロック・ホームズですら、こんな言葉を漏らしてしまう。ヒーローが活躍するには魅力的なかたき役が必要だし、そんなかたき役がみずからヒーローを任じて奮闘することもある。世界の秩序は華々しき光とそれを支える影によって守られていることを映画『ダークナイト』は浮き彫りにした。「正義」から毛嫌いされるもうひとつの正義の姿を見てみよう。

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  • 13 03

    相棒はニューナンブ

    英語の「ポリス」とギリシアの「ポリス(都市国家)」が同語源であるのを見ても、警察の権能が国家中枢近くに在ることが窺えよう。従来、国家の治安を担ったのは軍隊であった。近代、警察権の概念がドイツで確立したことで、警察の職権が明確に定義付けされた。本来治安を志向する彼らだが、その組織内にはさまざまな諍いを孕む。外に人間社会の闇を見て、みずからの内に組織論理の闇を見る。そんな警察がドラマの宝庫にならないはずがない。

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  • 13 04

    十手と岡っ引き

    人口100万と推計される江戸の治安を守ったのは時代劇でもお馴染みの与力、同心、岡っ引だ。現代の警察組織に引き直した場合、与力は今の警察署長相当と言われている。従って、同心が警察官ということになろう。裏社会のネットワークに通じた岡っ引は、犯罪者や博徒、ゴロツキとあまり素性よろしからぬ者たちであった。光と影が一対で活躍した江戸時代は、犯罪の何たるかをよく弁えていたのかもしれない。江戸時代のミステリー、捕物帖を並べる。

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  • 13 05

    node(ノード)

    ビブリオシアター2F「DONDEN」には、「node(ノード)」と呼ばれる張り出した本棚がある。 各トピアの中の漫画・新書・文庫が、小見出しの軸をこえて交わる「結節点」として、意外で新たな本と出会う場へようこそ。

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  • 13

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  • 14

    裁判長にもの申す

  • 15

    アウトローなヒットマン

  • 16

    革命ごっこと戦争モード