14 裁判長にもの申す

ルールとは自由を生み出すためのものであるはずである。市民はすべからく、法の下に守られているはずである。しかし、そこには必ずルールから逸脱するものがいて、法を犯すものがいる。また、ルールによって苦しめられ、法によって排除されるものがいる。 国家によって明示化されている法と世間によって慣習化されている法。私たちはすでに生まれたときから、法的存在なのである。法と関連した事件、事故から現実問題までを扱いつつ、法社会の現在から将来までを見通す。

CORE BOOK

「裁判長にもの申す」を象徴する本です。

刑務所の中

趣味のモデルガンづくりが高じて、拳銃不法所持により収監されてしまった花輪和一。現代日本が誇る屈指の天才漫画絵師である。写真撮影はおろかスケッチも許されぬ環境下、常人の及ばぬ精度をもつ花輪のカメラアイは、獄中のディティールをその脳内に余すことなくインプットし、後にその様は細密な描写によって再現された。余人の追随を許さぬ圧倒的な描写力によって、我が国の刑事施設の実体は白日の下にさらされた。

  • 14 01

    カフカの六法全書

    「法の門」が帯びた権威の前で進退極まるヨーゼフ・K。カフカの『審判』である。ミシェル・フーコーは彼に、法律を内面化し、自発的に行動規制する現代人の姿を認める。だが、法律がやがて根拠を希薄にし、監視的な視線のちからを減衰させても、なおわたしたちを無自覚に規制するならば、これは超高度管理型社会、つまりディストピアの雛形を示していると言える。この棚に集められた作品は、わたしたちを取り巻く法律を考えるきっかけになろう。

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  • 14 02

    悶々ハイティーン

    「もっと広くコンプレックスの問題を自慢したほうがよい。矛盾や葛藤は人間意識の輝かしい勲章なのである」と松岡正剛はかつて書いた。足りなければひとはそこ埋める努力をする。傷の痛みは、意識と身体感覚の重なりを蘇らせる。生きていることを自覚させる。みんな痛い思いをし、それでも笑って今日まで歩いてやってきた。一冊一冊に実にさまざまな、それでいてどれもあなたと似通った悩みを抱く若者たちが込められている。光陰短し、悩めよ若者。

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  • 14 03

    天災は不意をつく

    「神は世界を創造し、そして興味を失った」かつてポーランドの作家が書いた。人類は災厄に見舞われるたび、神に生きながらえる意味を問いかけられてきた。こと日本では、地震、火山、台風、大水、大雪……とさまざまな原因を国土のうちに抱え込む。否が応でもわたしたちは敏感にならざるを得ないはずだが、それでもなお、天災が不意を突いてくることを、かの天才的物理学者・寺田寅彦は指摘する。災害を描いた作品から心構えと勇気を紹介する。

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  • 14 04

    フラジャイルな関わり合い

    傷・疵・瑕・創……いにしえの神話の王たちには「きず」を負った者が多い。いや、「きず」があるゆえに王とされてきたのだ。北欧神話を引き合いに出すならば、オーディンは隻眼、テュールは隻腕だ。傷を負った者たちは、足りない能力を別の能力で補っているのではないか。健常者が決して見ることのできない世界が、彼らには見えているのではなかろうか。健常者と身障者の違いとは何か。心や体に負った「きず」について考えるきっかけにしてほしい。

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  • 14 05

    node(ノード)

    ビブリオシアター2F「DONDEN」には、「node(ノード)」と呼ばれる張り出した本棚がある。 各トピアの中の漫画・新書・文庫が、小見出しの軸をこえて交わる「結節点」として、意外で新たな本と出会う場へようこそ。

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「INTELLIGENCE」には他にもこんなテーマがあります。

  • 13

    犯人はこの中にいる

  • 14

    裁判長にもの申す

  • 15

    アウトローなヒットマン

  • 16

    革命ごっこと戦争モード