22 恋する女の生きる道

恋は何かを誰かに「乞う」つまり欲する感情から発露するもので、人を動かす力でもある。なかでも初恋は「初」であるために、未知の相手、経験、感情といったあらゆる未知とつき合うことになる。未知ゆえに希求する衝動的エネルギーが大きく、未知ゆえに起こる誤解、過失がドラマを成立させる。 恋が求めるがまだ叶わない感情の状態であるとすれば、愛とは求めたものと一体化する精神や行為である。恋が愛に変わると、何が失われ、何が残るのか。また純愛ブームという現象や憧れは、現代人にどんな夢を見せているのか。「恋愛」をテーマに、社会学、歴史学、文化人類学の視点から新書、文庫と読み連ね、現代を理解する一助としたい。

CORE BOOK

「恋する女の生きる道」を象徴する本です。

君に届け

黒沼爽子は、優しく健気な性格ながら、陰気な見た目と自己卑下ギリギリの謙虚さから「貞子」と呼ばれ、周囲から浮いている15歳。だが、クラスの人気者・風早翔太との出会いをキッカケに爽子の新たな高校生活が動き出す。不器用でピュアな恋模様、かけがえのない友人たち、ライバルとの対峙など、恋愛漫画の王道路線。他と一線を画するのは、常に「自分や相手の気持ちに向き合うこと」の難しさを突き付けてくる展開だ。行きつ戻りつ、ゆっくりと自分の価値と他者の意味を発見し、成長していく爽子の姿は、等身大であると同時に英雄的ですらある。

  • 22 01

    初恋壁ドン

    初恋は、個人を能動的に成熟させる社会参加のナビゲートシステムである。資本主義が「商品生産」と「商品交換」をシステムの基盤とするように、恋情の発生と交歓が物語というパッケージを成立させる。その中には、感動、興奮、挫折、邪念などさまざまな未知の感情がパターンを引き起こしている。ここでは、社会における個人のかかわりを「初恋」という切り口でとらえ、生産の原初を社会学的に考察する。

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  • 22 02

    愛のサバ折り

    愛とは、自分を相手に捧げる行為であると同時に、本能や欲望の思うままに突き進む行為でもある。理性ではいかんともしがたい、体の欲求としての恋愛があるからこそ、人々は太古の昔から翻弄され続けてきたのではないだろうか。自分だけではなく相手を巻き込む、怒濤の恋愛の物語の数々。

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  • 22 03

    ジュンアイ指南術

    キリスト教では「アガペー」、無償の愛こそが真実の愛だとされている。神が人間をアガペーの愛において愛するように、人間同士は、互いに愛し合うことができるのか。自らの敵さえも愛するような、普遍的な純愛がこの世に存在するのかを考える。

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「PASSION」には他にもこんなテーマがあります。

  • 21

    モザイク模様の愛

  • 22

    恋する女の生きる道

  • 23

    交際するメディア

  • 24

    笑いとオチの現象学