09 脳と心と体の関係
人体は神秘に満ちている。代謝系と循環系と神経系を発達させた人類は、大脳を持ち、「心」を発達させ、「言葉」を生み出した。哲学と生理学が融合して生まれた心理学は、実験を通して心を客観的に探究し、フロイトが創始した精神分析学は、人間心理の理論化と治療技法の体系化を目指した。人間の心の不思議をめぐって、神経や脳や身体や意識といった人体の神秘に分け入り、科学・哲学・テクノロジーを眺望しながら、脳と心と体の関係を探究していく。
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09 01
代謝系と循環系
人体には入口と出口がある。栄養は口から入り、消化器官や血液を通して循環し排泄される。このサイクルが、個体としての生命をつないでいる。 -
09 02
発達する神経系
身体が動くためには電気信号が必要だ。ONとOFFの切り替えで、体の隅々まで命令が行き渡る。全身を駆けめぐる神経の網は、日々発達している。 -
09 03
感じる・認める・覚える
世界を認識するためには五感も思考も必要だ。感じてわかって記憶することで、人は他者と共に生きる。脳と知覚の関係。 -
09 04
脳というシステム
脳科学が発展しても、いまだ謎多き脳というシステム。途方もなく複雑な人間の脳は、どうやって機能しているのか、脳科学の最先端へ案内する。 -
09 05
意識のありか
意識は心にあるのか? 脳にあるのか? この難問に脳科学も認知科学も心理学も哲学も挑み続けている。まだ見ぬ意識と無意識の正体をめぐる。 -
09 06
記憶と言葉
記憶するから自分を覚えていられる。言葉があるから人とコミュニケーションができる。人間が自ら記憶し、他者とつながるための科学を渉猟する。 -
09 07
心理学・精神分析学
人が「涙を流す」意味を、生理現象でも哲学でもなく、しかし科学的に読み解くのが心理学だ。見えない心の動きを捉える臨床と実験と思索の蓄積。 -
09 08
エロスとタナトス
フロイトの言うエロス(性)とタナトス(死)は、生きる情動と死の衝動だ。人間の根源を形成するふたつの欲望を入口に、心の世界に入り込む。 -
09 09
心の病気について
心身症、依存症、PTSD、認知症、統合失調症、ストレス社会には心の病気が溢れている。気の持ちようだけでは治らない症状に、処方箋を。 -
09 10
心に心で寄り添う
心には科学でも薬でも寄り添えない。臨床心理士、精神科医、カウンセラー、介護士。気持ちを扱い、心に寄り添う多様な技術。 -
09 11
認知をめぐる科学と哲学
複雑な認知の正体は、心の中を覗き込み、思考の働きに目を向けないと読み解けない。頭と心の謎に挑む、科学者であり哲学者である先達たち。 -
09 12
人工知能の可能性
人工知能は人類の希望か、大いなる危機か。人間の知性を超える日は来るか?人工知能の最先端を追い、知性とは何かを問う。 -
09 13
上部3段