10 医療と健康と薬
「正常」と「異常」とは何か、病気と健康の境目はどこにあるのか、毒と薬の違いは何なのか。近代以降、人体の「正常値」を測るようになり、基準値を外れる人間が「異常」「病気」としてカテゴライズされてきた。病状に応じて処置を施し「治す医療」を行う視点と、自らのホメオスタシスによって「治っていく人体」を重視する視点を対比しながら、医療の在り方、健康の意味について探る。西洋医学と東洋医学の対比や、自然治癒力の向上を目指す漢方、民間療法などの多様な医療の姿を捉えることで、人類学的な視野で医療を捉え、人と病の関係を見ていく。
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10 01
医学の歩み
医学は一日にしてならず。人類の歩みは絶え間ない病との格闘だった。ヒポクラテス以来の古今東西の病と医学、その攻防を概観する。 -
10 02
「分ける」と「分かる」
解剖し、図示し、読み解くことで、人は自らの体と向き合ってきた。人体とは、かくも美しく面白い。分けると分かる、体のしくみ。 -
10 03
ヒトとして生まれる
受胎して生命が誕生する奇跡は、宇宙の神秘だ。ヒトはいかにして生まれ来るのか? 生殖医療から胎児の成長まで、命のはじまりを探求する。 -
10 04
病気とは何か
健康と病気はどこで線引きできるのか。疾患があれば病気なのか、数値が異常なら病気なのか。人体の正常と異常の間をめぐる。 -
10 05
徴候と症状
身体は信号を発している。そこにある病気を示す、徴候と症状。医師の診断をささえる技術や技能。健康と病気の予測技術最前線。 -
10 06
「治る」と「治す」
外側から手を加えて「治す」技術の進歩に加え、内側の力を高めて「治る」医療が注目を集めている。代謝から免疫、寄生虫まで、人間の治癒力の驚異。 -
10 07
予防・投薬・手術
病気と闘うには、投薬も治療も手術も必要だ。健康の維持には、予防の意識と技術が肝要。生活習慣、健康診断、予防接種。病気との付き合い方。 -
10 08
薬と毒のちがい
薬物は毒にもクスリにもなる。人体にとって有益か有害か。毒と薬の違いを学ぶ。自然の脅威と人間の英知は常に隣り合わせだ。 -
10 09
手当てと看護
医療の現場は、病気に寄り添うプロ達の技能と鍛錬に支えられている。大学病院の実状から在宅医療の現状まで。手当てと看護の現場を知る。 -
10 10
老化と死
老いと死から逃れられる者はいない。生を全うし「その時」をいかに受け入れるか?高齢化社会先進国の日本が考える、老化と死。 -
10 11
東洋の医学
局所ではなく全体を、数値ではなく気の流れを、治療ではなく治癒を重んじる東洋医学。漢方、薬膳、灸、指圧、ヨガ。東洋の叡智。 -
10 12
医療人類学
長らく病を治してきたのは、呪術や祈祷だった。医療の起源から最先端の技術まで。人類と医療との関係を考える人類学。 -
10 13
上部3段