INTRODUCTION
アイスブレイク:3種の神器
さて、本題に入る前に少しアイスブレイクの様子を見てみましょう。
「あなたの無人島の3種の神器は?」
本イベントには国際学部、理工学、文芸学部、経済学部、さらには農学部など様々な学部の学生が参加しました。それもあり、「鉈・釣竿・包丁」や「親友・ドラえもん・ふとん」など超現実的なものから温もりを求めるものまで自由な発想が飛び交いました。
しかし、まだまだ学生同士は少し緊張しているように見えました。
なぜHONPAなのか?
そんな従来のカタチでは、ありふれている・つまらない・緊張してしまう人に朗報です。
濱崎:みなさん、繋がりたい人と繋がれていますか?学部外の学生と出会う機会、無いんじゃないんですか?そこで、何か繋がるイベントが出来たらいいなということで、HONPAを考えました。
本を「使う」というコミュニケーション
濱崎洋嗣
ゼロテン編集室 編集長
Work後のあなたを想像してみましょう。知らない人と会話することで自分の見えない部分を知れたり、今まで出会えなかった学部の友だちができたり、さらには本の新しい使い方を知っているかもしれません。HONPAって聞くと何か真面目に本を読むといったイメージがあったかもしれません。ですが今回は、本を“使う“イベントです。
この新しいコミュニケーションの形では、本を「使う」ことで、新しい学生間の交流・学びが促進されていくことでしょう。
それでは実際にワークショップを覗いてみましょう!
以下がHONPAの大まかな流れです。
Workshop START!
Step1: まず「自分自身」を表現している新書をアカデミックシアターで探す。そして、その本の紹介と理由をそれぞれ述べ、意見を交換する。
さっそく、本を「使った」自分探しが始まりました!参加者は戸惑いながらも、自分自身を表す新書を求め、右へ左へ駆けていきました。「私の性格って?」「私の好きのものは?」と改めて自分自身を考え直す良い機会にもなったのではないでしょうか。
それでは紹介ターンです。
「選んだ本」→選んだ理由、で一部紹介していきます!
- 「傷つくのがこわい」→実際に傷つくのが怖いし、責められたら謝ってしまうから。
自分の性格と照らし合わせながら、目次を見て決めたそうです。
- 「天才になりたい」→願望!
今の自分ではなく将来の自分像に焦点を当てて選んでくれました。また、天才になって人の役に立ちたいのかもしれない、という自己分析までしてくれました。
- 「ゾウの時間・ネズミの時間」→自分がのんびりな一面とせっかちな一面を併せ持っているから。
自分の性格って一つじゃないよねって再確認させられました。
「自分自身を表す本」と一言で言っても、その捉え方は人それぞれ。今の自分の性格を表してみたり、将来の自分を想像してみたり、本の内容だけでなく表現方法でもその人を知れたことでしょう。それがこのHONAPAの醍醐味なのかなとも感じました。
Step2: グループ内であみだくじを行い、ランダムにパートナーを決める。そして、「選ばれたパートナー」を表現していると思う新書を選び、お互いに意見交換する。
パートナー同士で会話しながら本を探す人もいれば、第一印象を元に別々に探す人もいました。自分以上にわからない相手のことを考えて、制限時間いっぱいまで悩み、本を選んでいました。
こちらも先ほどと同じように一部紹介していきます!
- 「フルーツのひとつばなし」→農学部でフルーツが好きそうだったから。
- 「風のかえる場所」→鶴橋から大学までよく歩いてくる。歩くのが好き。
- 「パスカルの隠し絵」→化学専攻から連想して、パズル要素も好きなのでは?と推測。
パートナーの学部や趣味や好きなものから、多分こんな人だろう。と予想したり、このひと「っぽい」ものを選んでみたり。パートナーの選んだ本に沿って選んでもらい、”あっ確かに”と府に落ちた人も。どんな本かということ以前に、本を選んでくれたこと自体が嬉しかったという意見もありました!
Step3: グループディスカッション
本を「使った」自己紹介・他己紹介を終え、自分のこと・相手のことがじっくり分かったところで与えられたテーマに沿ってディスカッションが始まりました!とその前に…大事なことを一つ。
議論するときのルール
- 否定しない
- 話をしっかり聞く
- 伝えることを諦めない
- 恥じることを忘れる
簡単に言うと、「先入観は捨ててどんどん発言しよう。」ということです!
では見ていきましょう。
テーマは「友達の定義」
あるグループで出た意見をまとめてみました!
言いたいことを言い合える |
仲間は目的あり、友達は目的なし |
友達と親友の違いって? | 気持ちが楽 |
10年ぶりに会っても気軽に喋れる | 無言でも気まずくない | 遠慮がいらない | 本音で話せる |
パーソナルスペースに入れる | お金を貸せる | 二人で遊べる | 用事なく電話できる |
これらの挙げられる要素に多く当てはまるのが親友であり、実績を徐々に解除するというイメージという面白い考え方も出てきました!一緒に話す→ご飯を食べに行く→本音で話せる→…といった感じでしょうか。私自身もゆっくりと時間をかけて友達になっていくスタイルなので、この発想にとても共感できました。Step1,2で自分のこと・相手のことを知ることができたおかげで、どの学生も積極的に議論に参加でき、このイベント一の盛り上がりを見せました!
最後に
本を「使って」話しをする体験の狙いとは
濱崎:いきなり初対面で喋ると緊張して何を喋ればいいのか分からない。そこで本を使って自分を紹介したりだとか、本で相手をどんな人なんだろうかと考えるだけでも会話が弾む。本という共通の話題があるという良さがある。それをみなさんに体験してもらえたのではないでしょうか?本に対する堅いイメージも無くなったと思います。HONPAはこれからも定期的にやっていきます。またぜひ来てください。
イベントではメンバーチェンジを行い、2ターン目をやりました!そこで面白いなと思ったのはStep1で学部・学年を省略して本紹介から始めている学生が多くいたことです。また、自分が選んだ本と選んでもらった本を紹介することで、自分から見た自分の姿と相手から自分はどう見えているのかを同時に伝えることができ、自己紹介に深みが出ているように感じました。ホンパ終わりには、多くの学生が自分で選んだ本・選んでもらった本を借りて帰っていました!今まで出会うはずのなかった人たちに、「本」というツールを使って出会う。それがHONPAです。
みなさんもアカデミックシアターでHONPAの第一歩(=Step1)を踏み出してみませんか?
EDITING TEAM
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Writer
長島優輝
ゼロテン編集室
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Photographer
樋口晃大
ゼロテン編集室