04 マンマシーンと変なエンジニア

パワーショベルや工業アームといった製造機械の行く末は、巨神ともいえる圧倒的な推進力・破壊力・運搬力をもった巨大ロボットとなるのか。精神性をもった人型ロボットは親愛なる隣人か、いや愛玩の道具か、はたまた人類の脅威となるのか。永遠の生命を希求する人類のマン・マシーン化はどこまで進み、何が残るのだろうか。まだ見ぬ機械社会の行く末とともに、そこには機械をつくる技術の匠と、機械をつかう操縦の徒の存在が欠かせない。機械工学と人類の将来に対する想像力と可能性と実現性のエンジニアリングが新たな超実学を生んでいく。

CORE BOOK

「マンマシーンと変なエンジニア」を象徴する本です。

機動戦士ガンダムthe origin

地球連邦とジオン公国の戦争を背景として<主人公・アムロの葛藤と成長>と<シャアの復讐譚>という大小のエピソードが重なる宇宙的抒情詩。登場するロボット兵器は「モビルスーツ」とよばれる。アニメ監督・富野由悠季の造語である。形のデザインだけでなく、言葉のデザインにも徹底的にこだわった創作と哲学が時代を超えて愛される秘密だ。

  • 04 01

    進撃のロボット

    『鉄人28号』から『アルドノア・ゼロ』まで巨大ロボットを操縦し活躍する物語は、いつの時代も少年たちの心を捉えて離さない。彼らは、巨大ロボットに兵器の影を見るのか、自分の成長した姿を重ね合わせるのか。工作機械の延長として活躍する産業用ロボットがある一方で、今は搭乗型ロボットで戦えるイベントが日米の企業によって開催されている。幼き日に見た夢は、こんにちもなお変形、合体し、地響き高らかに未知なる世界へ驀進している。

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  • 04 02

    アトムの子どもたち

    そもそも己の似姿を作ろうと最初に思いついたのは、天上の神であった。それと同じことを神の被造物である人間が今度は科学の力で成し遂げようとしている。ピュグマリオン伝説のガラテアからソフトバンクのペッパーまでたくさんの人型(ひとがた)が産声をあげてきた。『鉄腕アトム』の生みの親・手塚治虫は、そうした人類の執念を「深い人間の業」と語る。そんな心優しき科学の子らは、介護や災害、宇宙開発の現場で活躍する日を目前にしている。

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  • 04 03

    絶体サイボーグ

    『攻殻機動隊』の士郎正宗は、人間の肉体を機械に換装し、その身体能力が拡張・強化することを<義体化>と造語した。さらには、極限まで義体化されてもなお身体に残る人間の自我に<ゴースト>という格別な名前を与えた。華麗にして過激、流麗にして壮絶なバトルアクションや作り込まれた世界観は物語としても秀逸。生命の有機的構造を解体した先に仄暗く見えるものは何か。何がひとをひとたらしめているのか。作品を通じて考察してみてほしい。

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  • 04 04

    アタマとネットのノイズ

    ひとの好奇心は、広大無辺なる宇宙世界へと突き進む一方で、脳内に広がる精神世界へもさまよい込んだ。今ここに電気と磁気が支配するサイバー空間が加わり、ひとはダイブする。1980年代にギブスンが描いた世界がようやくわたしたちのものになった。ひとの視線や重力を受け付けない架構のなかで何が起こるのか。起きているのか。内なる世界が出口や境界に触れおもてに口を開いたとき、物語がどのように転回してゆくのか、その様子にも注目したい。

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  • 04 05

    イノベ町工場

    想像と現実のあいだに懸隔はあっても決して分断されているわけではない。地道な実験と考察の積み重ねは、かつての想像を現実の地平に招来し、新たな現実はさらなる想像を人類にもたらす。そのようにして人類は発展してきた。自動車や飛行機といった実際のマシンや工学・力学をテーマにした作品からは、技術そのもののありようとそれに携わるひとびとのドラマを体感することができるだろう。実学への橋渡しともなる未来への夢を育む作品たち。

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  • 04 06

    二輪四輪モーター

    製作と使用は、二匹の蛇がお互いの尻尾を噛んだ、ウロボロスの蛇のような円環構造にある。目下の必要に応じて物は作られ、使ったあとの気付きが次回の改良に向けた知識としてふたたび嵌入される。ここに誰よりも速く走ることと鋼鉄の駆体の制御に取り憑かれた者たちがいる。夜道を切り裂きながら、ひとの思惑を凌駕しようとするマシン。あるいは、シケインに歪み、フリクションの悲鳴をあげるマシン。ひととマシンのせめぎあう姿に光をあてる。

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  • 04 07

    node(ノード)

    ビブリオシアター2F「DONDEN」には、「node(ノード)」と呼ばれる張り出した本棚がある。 各トピアの中の漫画・新書・文庫が、小見出しの軸をこえて交わる「結節点」として、意外で新たな本と出会う場へようこそ。

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「ENGINEERING」には他にもこんなテーマがあります。

  • 03

    時空をめぐる宇宙旅行

  • 04

    マンマシーンと変なエンジニア

  • 05

    もうひとつの世界へ