15 アウトローなヒットマン

世間や学校や家族から、意図するしないにかかわらず脱出していったものたちは、逸脱したものたち同士で別世間、別学校、別家族を形成していく。そこで、重要視される論理は力か、血か、金か。彼らを行動へと突き動かすのは信仰か、忠誠か、名誉か、絆か。我々がこういった法外な世界に眉をひそめながらも、引きつけられてやまないのは、そこに近代社会が失った「小さな共生」と「生の目的」が垣間見えるからかもしれない。 世界は法だけで動くのではない。不良、極道、諜報員、ヒットマン、別様の社会を垣間見る書棚。

CORE BOOK

「アウトローなヒットマン」を象徴する本です。

ゴルゴ13

ゴルゴ13は、銃と一体化したマンマシーンとして驚くべき精度で狙撃を遂行する戦闘人間である。その頭脳はまるでAI。あらゆる状況を分析して最適な行動を選択する。ポーカーフェイスの裏側には、動物的な嗅覚で危機を脱しつつ、確実に獲物をハントする野生の一面もある。本作は最新の国際情勢についての綿密な取材に基づいている。垣間見られるのは、闇の向こうで蠢き暗躍する組織と個人の姿だ。

  • 15 01

    放課後ギャングスター

    かつてアメリカにハックルベリー・フィンという名の少年がいた。トム・ソーヤーの友達だ。彼は<世間>が馬鹿らしくていったんはその枠の外へ飛び出すが、降り立った先にも一層悲哀を帯びた<世間>が待ち受けていた。ただ、今度はそこに「深い人間の味」を見い出す。アウトサイダーであるがゆえの洞察だった。偽りのボンサンスをはねつけ、みずからにデペイズマンを課す。アウトサイダーたる主人公たちが学校の枠組みのなかに見出す、真実と矛盾。

    詳細はこちら

  • 15 02

    刹那のカリスマ

    ウェーバーは「支配の三類型」を指摘した。伝統的支配と合法的支配は、血統や手続きによる支配までの連続性が担保されている。だが、個人の資質に依拠するカリスマ支配は少々事情が異なる。任意の集団に強いストレスがかかったとき、その内圧の高まりを引き受けるかたちでカリスマは時代の亀裂から突如姿をあらわす。もしも『わけのわからないもの』がはやったときは、時代を疑え。大衆を惹きつけてやまぬ者たちの正体が作品から読み取れるだろう。

    詳細はこちら

  • 15 03

    スパイ×スナイパー

    歴史はそのかいなに英雄を、賢者を、愚者を、そして卑怯者すらをも抱く。歴史はときに卑怯者の手によって進む。スティーヴン・キングは「リーはただの狙撃者ではない──標的をうしろから撃つ卑怯者だ」と書いた。恐怖政治の巨魁を突き崩したシャルロットはのちに暗殺の天使と呼ばれた。偉大なるミュージシャンの息の根を止めたマークは『ライ麦畑でつかまえて』を読んでいた。社会の暗部に身を潜めた者たちのかそけき息遣いが作品から漏れる。

    詳細はこちら

  • 15 04

    死線上の男たち

    親分、子分、兄貴分、舎弟、叔父貴、姐さん、義兄弟、一家、絶縁……。ヤクザ映画でよく耳にするこれらの言葉は、すべて<家族関係>にまつわるものだ。法律の埒外に生きる彼らアウトローにとって、家族を擬制することはみずからを守る自衛手段でもあるし、国家の介入を経ずして組織秩序を維持するための算段でもある。長らく人間社会は表の秩序と裏の秩序の均衡のうえに成立してきた。作品は裏社会に生きるひとびとの論理と生きざまを黒く描き出す。

    詳細はこちら

「INTELLIGENCE」には他にもこんなテーマがあります。

  • 13

    犯人はこの中にいる

  • 14

    裁判長にもの申す

  • 15

    アウトローなヒットマン

  • 16

    革命ごっこと戦争モード