NOV 26, 2025
BOOKLIST
KZさん・アサダワタルさんの「人生を変えた」6冊
INTRODUCTION
BOOKLISTは、学内外の様々な方がおすすめする本を紹介するコンテンツ。今回は、2025年11月12日(水)に、アカデミックシアターにて開催されたイベント「本を飲む」にておすすめされた6冊を紹介します。
このイベントは、本からインスピレーションを受けて作られたオリジナルドリンクを「飲む」という体験を通じて、本の世界に触れる企画。ゲストには、梅田サイファーのKZさん、近畿大学文芸学部文化デザイン学科准教授のアサダワタルさんが登壇し、「人生を変えた本」を3冊ずつ紹介しました。

「自分は何を信じるか」を考えさせられる1冊
あらすじ
神様って、いないんじゃない? という疑問を、ここまで考えぬいた人達がいる。
島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト信仰の根源的な問題を衝き、〈神の沈黙〉という永遠の主題に切実な問いを投げかける長編。
キリシタン弾圧下の長崎を舞台に、「なぜ神は沈黙をするんだ」と苦悩する若き司祭の物語。主人公を通して、教義を超えた本当の愛や信仰とは何かを考えさせられました。16歳で初読した際は理解できなかったけれど、28歳で長崎を訪れたことをきっかけに再読し、行動こそが人を規定すると痛感させられた1冊です。
KZさん
梅田サイファー/旅人
「もっと人生旅せなあかんのや」ってすごい強く思わされた1冊
あらすじ
北極圏の冬は極夜と呼ばれる太陽が昇らない季節となる。暗闇のなか氷床を歩き続け三カ月ぶりに太陽を見た時、人は何を思うのか。
ひとり極夜を旅して、四ヵ月ぶりに太陽を見た。まったく、すべてが想定外だった―。太陽が昇らない冬の北極を、一頭の犬とともに命懸けで体感した探検家の記録。
冒険家・角幡唯介のノンフィクション。我が子の誕生をきっかけに、闇の中から光を見る「出産」の瞬間を体験したいと、太陽の昇らない「極夜」 に挑みます。食料が尽き、唯一の旅の相棒の愛犬を食うか食わんかまで葛藤する壮絶な記録。日本一周中に読んで、自分も好きなことをして生きたいと強く思わされました。
KZさん
梅田サイファー/旅人
テーマに嫌悪感を抱いた人こそ読んでみてほしい
あらすじ
2019年 第17回 開高健ノンフィクション賞受賞作
犬や馬をパートナーとする動物性愛者「ズー」。
性暴力に苦しんだ経験を持つ著者は、彼らと寝食をともにしながら、
人間にとって愛とは何か、暴力とは何か、考察を重ねる。
そして、戸惑いつつ、希望のかけらを見出していく──。
DV被害者である筆者が、愛と性について学び直すために大学院へ進学し、動物を対等なパートナーとして愛する「動物性愛者」たちを取材したノンフィクションの記録。彼らの純粋な愛を通して、「愛する」という行為の自由さや美しさを知り、涙した一冊です。
KZさん
梅田サイファー/旅人
自分もこんな本を書きたい、と思わせられた1冊
あらすじ
映画の脚本執筆に行き詰まった著者はフリーペーパーに売買広告を出す人々を訪ねることに。カラー写真満載、心を打つインタビュー集。
アメリカの片隅で同じ時代を生きる、ひとりひとりの、忘れがたい輝き。映画の脚本執筆に行き詰まった著者は、フリーペーパーに売買広告を出す人々を訪ね、話を聞いてみた。革ジャン。オタマジャクシ。手製のアート作品。見知らぬ人の家族写真。それぞれの「もの」が、ひとりひとりの生活が、訴えかけてきたこととは。カラー写真満載、『いちばんここに似合う人』の著者による胸を打つインタビュー集。
映画制作のスランプに陥った著者が、地元情報誌の「譲ります」コーナーに投稿した人々を訪ねるインタビュー集。「あなたの人生についてちょっと聞かせていただけますか」と問いかけ、一人一人に豊かな人生があるんだということに気づいていく物語です。著者の正直な心の変化も描かれており、自分も一人の書き手として、こんな本を書きたいなと思った1冊です。
アサダワタルさん
文化活動家・近畿大学文芸学部文化デザイン学科准教授
「考えるとはどういうことか」を教えてくれる哲学エッセイ
あらすじ
人は14歳以降、一度は考えておかなければならないことがある。
物事を考えるためのレッスンになる本。幸か不幸かを議論する中学生の例など、身近なテーマを入り口に、二項対立に留まらない物事の深め方を教えてくれます。「哲学エッセイ」というジャンルを確立した方によるベストセラーで、平明な言葉で書かれているので、とても読みやすい1冊です。
アサダワタルさん
文化活動家・近畿大学文芸学部文化デザイン学科准教授
言葉の不思議さと人間の存在に迫る芥川賞受賞作
あらすじ
第137回芥川賞、第50回群像新人文学賞 W(ダブル)受賞!村上龍氏以来、30年ぶりの快挙! 驚異の新人出現!選考委員各氏激賞!
失踪したおじさんをめぐる小説。吃音やチックのように、意図せず発してしまう奇妙な言葉を飼いならそうとするうち、おじさんはやがて手の届かない「アサッテの方向」へ行ってしまいます。言葉の意味を超え、言葉そのものを扱う不思議な魅力を持つ作品です。
アサダワタルさん
文化活動家・近畿大学文芸学部文化デザイン学科准教授

本を紹介してくれた人
KZ
けーじー
梅田サイファー/旅人
大阪・梅田サイファー出身のラッパー。ソロアルバム6枚を発表し、即興ラップバトル全国大会でも活躍。「マジでハイ」はYouTube再生1319万回超、THE FIRST TAKE出演動画はYouTubeで3541万回再生を記録。TBS「キングオブコント」OPテーマを2年連続で担当し、映像監督や登山など多方面で表現を広げている。
本を紹介してくれた人
アサダ ワタル
あさだ わたる
文化活動家・近畿大学文芸学部文化デザイン学科准教授
「これまでにない他者との不思議なつながりかた」をテーマに様々な生活現場に出向き、音楽と対話をもとにしたプロジェクトの企画演出、作曲演奏、執筆活動を行う。近著に『当事場をつくる』(晶文社)、『住み開き増補版』(筑摩書房)、『ホカツと家族』(平凡社)、『想起の音楽』(水曜社)、CDに『福島ソングスケイプ』等。博士(学術)。




