29 ライフスタイル・ドラマ

親子、兄弟、親戚との家族関係は、父子家庭や母子家庭、老夫婦、同性婚家族、シングルズなど多様化した。そこに介護や保育、家族解体などの問題が孕まれている。 家族が住む町は、無機質な新興住宅地もあれば、人情味溢れる下町もある。シャッターの下りた商店街、ゴミでいっぱいの空地や川、放射能で汚染されたゴーストタウンといった荒廃した風景も見られる。そこに暮らす者たち同士の、記憶と現在のあいだから日本の姿が浮かび上がってくるだろう。等身大の生活者のマンガや小説に揺さぶられ、社会と家族を考えてみたい。

CORE BOOK

「ライフスタイル・ドラマ」を象徴する本です。

よつばと!

元気いっぱいのちょっとかわった女の子「よつば」と、ほのぼの日常風景が一日一話のペースで描かれるハートフルなコメディ。五歳のよつばは、外国で「とーちゃん」に拾われ、遠い海の向こうから日本に引っ越して来た。とーちゃんや、お隣の三人姉妹、ご近所さんたちと、仲良く楽しい毎日を過ごす。キャッチフレーズは「いつでも今日が、いちばん楽しい日」。外国から引っ越してきたよつばが感じる、日常のこと、些細なことがを新鮮に活写する。

  • 29 01

    家族進行形

    人々を取り巻く社会環境は複雑さを増し、家族そのものの構成や形態、機能も大きく変わってきている。大家族から核家族へ、父子家庭や母子家庭、老夫婦、同性婚家族、シングルズなど多様化し、そこに介護や保育、親子関係あるいは家族解体などの問題が重なる。描かれたさまざまな現代家族の姿を手がかりに、文学はもちろん、社会学や経済学、心理学を横断して、家族がどのように取り上げられ論じられているか探っていきたい。

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  • 29 02

    どぶがわの夕日

    生活と場所は密接に関係しあっている。無機質な新興住宅地、人情味溢れる下町、シャッターの下りた商店街、ゴミでいっぱいの空地や川、放射性物質で汚染されたゴーストタウン。そこに暮らす者たちの行為や言葉を通して、その場所ならではの情景が浮かびあがってくる。場所に刻まれた記憶が甦ってくる。視点を移せば、その情景や記憶は風土や建築、コミュニティ論とも結ばれるだろう。この書棚では、人と場所の関係を広く取り上げて考えたい。

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  • 29 03

    かさぶた親子

    精神医学者の木村敏によると、自己を成り立たせているのは自分にまつわる「あいだ」であるという。家族、友人、恋人、同僚…わたしたちはたくさんの「あいだ」に生きている。あいだは「間(ま)」でもある。人間関係に悩んだり物事に行き詰ったとき、自分の内側ばかり見つめるのではなく「あいだ」に目を凝らし「間」を意識すれば、解決の糸口を発見できるかもしれない。それに、みずから関わっていくことで新たに生まれる関係もある。

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  • 29 04

    頑張るビタミン

    周囲の出来事や他者に無頓着で無関心。傷つくことに臆病で、でも独りは嫌だから広く浅い人づきあいを好む。失敗や敗北をよしとしない。今の若者の、皆とは言わないが、傾向といえるだろう。けれどマンガのなかの人間たちは、矛盾や葛藤、弱さを抱え、みずから創をつけ、それでも生きていこうともがいている。絆をよすがに一歩踏みだそうとしている。日々の生きかたを見つめなおし、勇気をもって殻を破るための書棚。

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  • 29

    ライフスタイル・ドラマ

  • 30

    食いしん坊の日常

  • 31

    動物の王国へようこそ