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31 動物の王国へようこそ

人が二足歩行を始め、言語をもち、集団生活を始め、狩猟、農耕を営む。その過程には傍らにいつも動物がいた。動物を人との関係を軸にして見ると、生物として、野生として、ペットとして、擬人化として、といった4つの切り口が考えられる。生物ピラミッドのなかで管理する対象としてみた動物および環境への問題提起、人間が奪い失った自然や野生への畏怖と憧憬、共生する生命への感情移入、現代人が秘かに切望する理解者と代弁者としての存在。想像を武器にするマンガは、もの言わぬ他者である動物を相手にさらに想像の幅を広げていく。人間を投射した写し絵としてみた動物は、哲学や社会学の対象にすらなる。

CORE BOOK

「動物の王国へようこそ」を象徴する本です。

ぼのぼの

主人公のラッコのぼのぼの、シマリスくん、アライグマくんなど擬人化された動物だけが登場するシュールでどこか意地の悪い4コマ漫画。1986年の開始以来30年以上に渡って連載が続き、テレビアニメ、映画、ゲーム、絵本、キャラクター商品と様々にメディアミックスされた。汗をかきかき貝を割ろうとする仕草が萌えポイント。目が黒い点々でしかなく実は表情らしい表情のないところが読者の感情移入を誘う。

  • 31 01

    鳥獣アンセム

    動物も人も生と死のはざまにいる。にも関わらず、死や屍は日常から切り離され、ときに命さえも管理されている。人を含む動物たちは喰う喰われるの食物連鎖でつながっているが、生活のなかでその関係を意識することは少ない。ここでは、その是非を問うのではなく、家畜や動物園の動物、身近な生物たちの物語から、生と死の宿命、自然界における人という存在にまでおもいをめぐらせたい。

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  • 31 02

    野生の森に響く

    自然界の動物たちは、つねに外敵を警戒し身を守りながら生きている。餌食にされないため闘いを挑むこともある。当然、人を敵とみなして襲うことだってある。野生動物は飼いならされたペットのように従順で可愛らしいだけではない。いつだって命の瀬戸際にいるのだ。克明に描かれた動物の行動に加えて、強調された剥きだしの敵意や獰猛な姿にも目を向け、野生を生きるとはどういうことか、現代人が得たもの失ったものは何かを問う。

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  • 31 03

    ワンニャン日記

    ペットのなかでもとりわけ犬と猫は身近な存在で、つきあいの歴史も長い。日本では江戸時代、徳川綱吉は犬を人以上に愛で、歌川国芳は猫の浮世絵を何作も描いた。現代でもなお、犬と猫はマンガや小説、ドラマにしょっちゅう登場する。そのいっぽうでペットビジネスやアニマルセラピーが流行り、捨て犬や捨て猫の問題は深刻化している。犬や猫と人の関係、ペットの役割についてさまざまな切口から考えてみたい。

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  • 31 04

    吾輩はアニマルである

    擬人化は比喩のひとつで、イメージを編集するための大事な型である。たとえば古くから伝わることわざは、人間のふるまいを動物や昆虫などに置き換え巧みに表現してきた。詩や童話、民話や物語でも、擬人化された動物たちが感情をもって言葉をしゃべる。漱石は猫の目線と語りで小説を書いた。人間社会を舞台に想像力をもった動物たちが人に話しかけ働きかける、マンガ家のイメージ編集の方法や型を堪能したい。

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  • 31 05

    考えるシロクマ

    伝えたいことをそのまま表現するのではなく何かに喩えることによって、受け手のイマジネーションはより自由に広がっていく。アイロニーを忍ばせることもできる。そもそもアイロニーの語源は偽装だ。擬人化された動物たちだけの世界で、彼らは人間以上に人間らしくふるまい、会話や遊びを楽しみ儚い夢をみる。マンガは小説や文学と並ぶイメージ編集の宝庫だ。

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「COMMUNICATION」には他にもこんなテーマがあります。

  • 29

    ライフスタイル・ドラマ

  • 30

    食いしん坊の日常

  • 31

    動物の王国へようこそ